新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
2月5日現在、世界中で新型コロナウイルスに感染している人数は2万4512人と発表されていますが、無症状の人を含めるとその10倍以上の人が感染している可能性があるのです。
新型コロナウイルスの感染者数は10倍以上!
新型コロナウイルスの感染者数の全体像を見ると死亡した方から無症状の方まで多くいることが分かってきました。
そこで、2月3日にFNNプライムニュースに出演された、川崎市健康安全研究所所長で元国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦先生と、防衛医科大学校内科学講座(感染症・呼吸器)教授の川名明彦先生のお話を参考に、現在の様子をまとめてみました。
まず、新型コロナウイルスの感染者は、地域によって重症の人とそうでない人の差がとても大きく、一部では「あまり過敏になる必要はない」という意見も少なくありません。
武漢市だけに限定すると致死率は大体5~6%ぐらい、中国全体で見ると致死率はおよそ2%、中国以外の国で見るとおよそ0.5%ぐらいとなっています。
武漢市だけが飛びぬけて致死率が高いことがわかります。
これは、武漢市の医療体制が崩壊しかかっている可能性があるのです。 感染者は武漢市内の高度な医療を提供する病院に集中しており、治療を受けられる人とそうでない人が別れてしまっていることが原因とも考えらるのです。
今後、日本に新型コロナウイルスが入ってきて、武漢と同じように一部の高度医療機関に患者が集中すると、同じようなことが起きる可能性があるということです。
実際の新型肺炎感染者数は10倍以上?
新型コロナウイルスとSARS、MARSを比べてみましょう。
新型コロナウイルス | 重症急性呼吸器症候群(SARS) | 中東呼吸器症候群(MERS) | |
発生時期 | 2019年12月 | 2002~03年 | 2012年以降 |
感染者数 | 2万4512人 | 8098人 | 2494人 |
死者数 | 491人 | 774人 | 858人 |
致死率 | 2,0% | 10%弱 | 30%以上 |
※2020年2月5日現在
先日、武漢からチャーター機で帰国した565名の日本人のうち、新型コロナウイルスに感染していたのは8名(うち無症状は5名)でしたので、感染者は全体の約1,4%ほどになります。
つまり、武漢に住んでいる人をランダムに集めてくると、同じように1,4%の人が新型コロナウイルスに感染している可能性があるということです。
2月3日時点の中国湖北省の発表では5142人の感染者がいると発表しています。しかし、1,4%という数字を当てはめれば、武漢の人口は1千万人ですから、無症状の人を含め14万人くらいの人が感染している可能性があるのです。
イギリス・ランカスター大学などの研究チームによると、1人からの感染者数は3.11人で潜伏期間が4日、2月4日までに感染者数は武漢市だけで約16万~35万人になると予測しています。
「新型肺炎はヒト・ヒトで感染者10万人確実」北大教授が推計 流行は「5月までは続く」(文春オンライン)
「今回は診断バイアスが強くかかっている」
「実際の感染者数はもっと多いはずですので、全感染者中の致死率はもっと低くなることは確実です。」 https://t.co/Dh10vI7xzr— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) January 31, 2020
【新型肺炎】武漢付近の感染者7万人超か、香港大チームが英科学誌で発表https://t.co/Thfrnn1rS3
中国当局の集計を使わず、28日までにタイや日本、米、仏など武漢からの移動先で確認された感染者数に基づき推定した。
— ライブドアニュース (@livedoornews) February 1, 2020
日本国内の感染者数は?
日本国内の感染者数は2月3日時点で20人(※2月6日時点では35人)、無症状の人が4人です。
ここで注目したいのが、咳や発熱といった症状が現れない無症状や軽い症状の人まで現れているという点です。
ウイルスは無症状の人からも感染する可能性もありますが、ドイツの論文によると無症状の人から感染した場合は症状が非常に軽いという研究結果もあり、無症状の場合はヒトから人へは感染しづらいと言う研究結果もあるようです。
また、日本の感染症に対する医療体制は世界高水準であり、一般的に感染症のは10万人を単位として致死率を見るそうですが、 アメリカでは4% 、欧米諸国で1%前後、 日本は0.16%と、非常に致死量を維持しているそうです。
新型コロナウイルスに対する日本の対応
1月31日に安倍首相は新型コロナウイルスに対して以下のような表明をしています。
入国審査日前14日以内に湖北省に滞在歴のある外国人と湖北省発行の中国旅券を保持する人は特別な事情がない限り入管法に基づき入国を拒否(※新型コロナウイルス関連肺炎対策本部)。
さらに、2月3日には加藤厚労大臣は次のように発言しています。
他の地域で感染が拡大するようであれば入国制限の対象にする。弾力的な暑中を考えなければならない。
アメリカ、オーストラリア、フィリピン 、ニュージーランドなど、中国本土から来た中国人、もしくは中国本土から来た外国人の入国を全面的に禁止している国があります。
新型コロナウイルスに対する日本の対応は今のままで本当に大丈夫なのでしょうか。
入国制限をしても感染は止められない?
日本の場合、すでに封鎖されている湖北省からの入国を制限するるというのは他の国と比べて対応が非常に緩く見えるという人も少なくありません。
ですが、入国を制限をしても感染を食い止めることは難しいというデータもあるのです。
イギリスの研究機関によると、入国を90%制限すれば流行のピークを10日ほど伸ばせる、99%制限すれば流行のピークを約2~3週間後に伸ばせるというのです。
つまり、流行のピークを後ろにずらすだけで、感染そのものを防ぐことはできないということです。
現在、自民党対策本部は次の項目を政府に提言しました。
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- 感染拡大に備えた医療体制を整備
- 一般国民向け簡易検査キットの開発促進
- 患者のプライバシー保護の徹底
- 柔軟に対応できる法律の整備
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日本国内において新型コロナウイルスの拡大は避けることはできそうもありませんが、私たち一人ひとりがウイルスに対する備えを十分にする必要があるようです。
まとめ
新型コロナウイルスの科学的解明は進みつつあるようです。
もちろん安易に考えていいわけではありませんが、マスクの着用や手洗いの徹底を心がけ自らの免疫力を高める努力をすることが大切のようです。
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